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被害届が受理されない…受理されない理由と対処法を解説

2023年09月28日
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被害届が受理されない…受理されない理由と対処法を解説

犯罪の被害に遭ったことを申告する窓口は警察です。長野県内には22の警察署が設置されており、犯罪被害に遭った方の申告を受け付けています。

理不尽な犯罪の被害にあったのだから、警察にはただちに「被害届」を受理してもらい、犯人を逮捕・処罰してほしいと望むのは当然でしょう。しかし、警察に被害を申告しても被害届が受理されないというケースも少なからず存在します。

本コラムでは、警察に被害届が受理されない理由や受理の可能性を高めるための対応について、ベリーベスト法律事務所 長野オフィスの弁護士が解説します。

1、被害届が受理されない理由とは?

何らかの被害にあってしまえば「被害届を提出したい」と考えるのは当然でしょう。
それなのに、なぜ警察が被害届を受理しないなどという事態が起きてしまうのでしょうか?

以下では、被害届が受理されない理由を解説します。

  1. (1)犯罪被害にあたらない内容だった

    自分自身では「犯罪の被害にあった」と感じていても、法律の定めに照らすと犯罪にはあたらないといったケースもめずらしくありません。
    たとえば「結婚の約束をしていたのに実は既婚者だった、結婚詐欺だ」「電話口でののしられた、名誉毀損だ」といった申告は、当事者にとっては深刻なトラブルでも犯罪とはいえない内容です。

    警察官が事情を聴いたうえで犯罪にはあたらないと判断した場合には、別の相談窓口を紹介されたり、防犯指導が行われたりするだけで、被害届は受理されません。

  2. (2)被害関係者にあたらなかった

    被害届は、犯罪の被害者やその代理人しか提出できません。

    たとえば、子どもが駅に駐輪していた自転車を盗まれた場合には、子ども本人や保護者なら被害届を提出できます。
    一方で、鍵を壊して自転車を盗む様子をみていただけの通行人の場合は、被害者に代わって被害届を提出したいと申告しても受理されないのです。

    ただし、「犯罪が行われたことを知っている」「犯人を知っている」といった場合には、通報や告発といった手続きで警察に事件の発生を伝えて捜査を発動することができます

  3. (3)警察の職務怠慢や人員不足など

    難しい捜査を要する場合や、逆に被害がごく軽微である場合、または重大事件が発生して大規模な捜査が行われており人員不足の状態だったりする場合には、警察は被害届の受理を嫌がることがあります。
    原則的に警察の職務怠慢は許されませんが、どんな軽微な事件でも徹底して捜査を尽くしていると重大な事件に注ぐ警察力が足りなくなってしまう、という実情もあるためです。

    そのため、警察では、被害の内容を詳しく聴取したうえで、被害届を受理して捜査すべきか、または被害届を受理せずほかの解決法をアドバイスするかを吟味しているのです

2、被害届を受理してもらうには?

以下では、「被害届が受理されない」という状況に直面した場合に取ることのできる対処法を解説します。

  1. (1)そもそも「被害届」とは?

    被害届とは、犯罪の被害を受けた人が警察に対して被害の発生を申告する書類です

    本来は被害者などの届出人が作成するものですが、被害の日時や場所の特定、被害の模様の説明、被害金品の特定など、内容を整理しながら記載する必要があり作成が難しい書類であるため、警察官が代書するという運用が取られています。
    つまり、被害者自身が被害届を作成する必要はありません。

  2. (2)被害届には受理義務があるのか?

    警察捜査の基本を定めている「犯罪捜査規範」の第61条1項には、犯罪の被害者などから被害の申告を受けた場合は「これを受理しなければならない」と明記されています。
    つまり、被害届の受理は警察の義務です
    ただし、これは「犯罪による被害」が発生していることが前提であるため、犯罪にならないことが明らかな内容であれば受理の義務はありません。

    また、同条2項には「参考人供述調書を作成したときは、被害届の作成を省略できる」とされています。
    被害届はあくまでも捜査のきっかけのひとつにすぎないため、被害の状況を詳しく説明する供述調書が作成された場合や警察が独自の活動のなかで被害を認知した場合には、被害届の省略が可能です。

  3. (3)被害届を受理してもらう可能性を高める方法

    犯罪被害にあったのに被害届が受理されないときは、被害者側で犯罪の存在を裏付ける証拠を集めて警察に示し、積極的な捜査を求めることが最善策です

    被害者には、証拠を集めて犯罪の存在を証明する義務はありません。
    しかし、警察には知り得ず、被害者でなければ得られない証拠も存在します。
    「これは刑事事件だ」と強く示すことで被害届の受理につながる可能性が高まるでしょう。

    警察は被害者からの事情聴取を通して、被害者の意図や目的を読み取ろうとしています。
    たとえば、被害届の目的が「ストーカーを遠ざけたい」といったものなら、事件化が難しい内容でも警察による警告や公安委員会からの中止命令によって被害者の目的を果たせる可能背があります。
    捜査を尽くして厳しく罰してほしいという意図が正しく伝われば被害届が受理される可能性が高まる一方で、必ずしも被害届が受理されなければ問題を解決できないわけではない、ということも認識しておきましょう。

3、被害届が受理されるとどうなる?捜査や刑事事件の流れ

以下では、被害届が受理された後の、刑事手続きの流れを解説します。

  1. (1)捜査が始まる

    被害届は被害者からの申告であると同時に捜査を発動する端緒となります。
    端緒とは「きっかけ」という意味です。

    被害届が受理されると、その内容にもとづいて捜査が進められます。
    もっとも、捜査の端緒は被害届だけではありません。
    たとえば、詐欺事件や横領事件といった知能犯罪やサイバー犯罪などでは、正式な被害届の受理に先立って裏付け捜査が進められます。
    被害届の受理は捜査を発動するきっかけになりますが、被害届が受理されないと捜査が始まらないわけではないことも認識しておいてください。

  2. (2)加害者が検挙される

    被害届が受理されて捜査が進むと、加害者が特定されます。
    加害者が逃亡や証拠隠滅を図るおそれがある場合は逮捕によって身柄を拘束し、その危険がない場合は任意の在宅事件として取り調べて事実を明らかにします。

  3. (3)検察官が起訴すると刑事裁判が開かれる

    捜査を終えた警察は、事件を検察官へと引き継ぎます。
    この手続きを送致といいますが、ニュースなどでは逮捕が絡む事件を「送検」、在宅事件では「書類送検」と呼ぶのが一般的です。
    送致を受理した検察官が裁判所に「起訴」すると刑事裁判が開かれて、有罪判決が下されれば加害者が犯人として処罰されることになります。

4、被害届を受理してもらえない場合は弁護士に相談を

犯罪被害を受けた立場なら、警察に被害届が受理されないと「なぜ?」といら立ちを感じてしまうのは当然です。
何度も警察署に足を運んで「被害届を受理してほしい」と伝えているのに望んだ結果が得られない場合には、弁護士に相談することも検討してください。

  1. (1)犯罪被害にあたるのかを正確に判断できる

    犯罪が成立するかどうかの判断は難しいものです。
    何らかの損害が発生していても、実は犯罪にはあたらないといったケースもめずらしくありません。
    しかし、警察から「今回は刑事事件として扱うことができない」と説明されても、簡単には納得できないことも多いでしょう。

    弁護士に相談して詳しい状況を伝えれば、犯罪被害にあたるのかを正確に判断できます。
    警察は刑事事件を捜査する機関なので、事件にならない内容であれば解決をサポートしてくれません。
    一方で、弁護士なら、刑事事件にはならない状況でも、示談や民事訴訟といった方法で解決を図ることができます

  2. (2)被害届受理に向けた証拠・資料の収集をサポートできる

    警察が被害届の受理を渋っている場合は、犯罪の証拠や資料を示して受理を促す必要があります。
    とはいえ、一般の個人では、どのようなものが有効な証拠になるのか、どうやって証拠や資料を集めればよいのかもわからないでしょう。

    証拠や資料の収集には、犯罪や捜査手続きに関する法律の詳しい知識が必要となります
    個人での対応は難しいため、専門家である弁護士に相談しましょう。

  3. (3)事件化の実現に向けたサポートが得られる

    確かに犯罪が存在するのに警察が受理をためらっている状況なら、弁護士からのはたらきかけが有効です。
    証拠を示して法的な角度から捜査の発動を求めれば、警察が被害届を受理する可能性を高められるでしょう。

    また、どうしても警察が被害届を受理しない場合には、「告訴」を行うという選択肢もあります
    告訴とは、犯罪の被害者が捜査機関に対して犯人の処罰を求める手続きです。
    被害届は「被害の発生を申告するもの」である一方で、告訴は「犯人を罰してほしいと求めるもの」であるということが、大きな違いとなります。

    また、被害届などを端緒に始まった事件では、警察が捜査を終えた段階で検察官へと送致するか、あるいは警察限りで終結するかを選択できますが、告訴を端緒とした事件ではかならず「送付」によって検察官に引き継がなくてはなりません。
    告訴をすれば警察限りで事件を終結させずかならず検察官のもとへと事件を送ることができるため、厳罰を求めたいなら告訴が有効です。

    法律の規定では、告訴は「口頭でも可能」とされていますが、実際には事件の詳細を示す書面として告訴状の提出が求められています。
    被害届のように警察官が代書してくれるのではなく、被害者側で作成・提出する書類ですが、法的な効力をもつ書類なので万全の内容に仕上げなくてはなりません。
    やはり個人での作成は難しいため、告訴状の作成は弁護士に依頼しましょう。

5、まとめ

警察に被害届が受理されない理由にはいくつかのパターンがありますが、犯罪被害にあったことが確かなら受理を求めて事件化へとつなげるべきです。
しかし、受理を渋る警察を説得して、捜査を発動させるのは簡単ではありません。
被害者が個人で対応しても警察が被害届を受理しない場合には、弁護士に相談することを検討してください

被害届が受理されない状況にお困りの方は、まずはベリーベスト法律事務所にご連絡ください。
弁護士が詳しい状況をうかがったうえで犯罪に該当するのかを正確に判断して、被害届の受理に向けた証拠収集や警察へのはたらきかけることで、事件の解決をサポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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